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お で ん 家  へ よ う こ そ !!

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子育てハッピーアドバイス part 4





この記事は『子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~』の連作となっております。
出来れば、
子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~ part 1
子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~ part 2
子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~ part 3

と合わせてお読みください。





今年の6月、7月と立て続けに少年事件が起こりました。
女の子がお父さんを殺したり、バスジャックをしたり。

そういう最近の少年事件に共通しているのは
「最初に起こした問題行動が、殺人や事件だった」
という事です。

今までもいわゆる少年事件はありましたが、だいたいは「小学校ぐらいから荒れ出して、中学・高校になったら非行になって、その挙句に、人を刺した。」という場合が多かった。

ところが、今はそうじゃなくて
そういう事件を起こすまでは
「家でも学校でも、いい子で通して来た」
「手のかからないいい子だった」
「成績優秀、真面目な子」
そういう子が事件を起こしています。

では、なぜ、そういう子が事件を起こすのか?
それは結局、そういう風に手のかからないいい子で、自分のマイナス部分を出せずに我慢し続けて来た。
その辛さがいきなり爆発した、という事なのです。

ですから、あまりにも「手のかからない」「いい子過ぎる」という子どもがいたら、大人から声をかけてやる必要があります。
「いつもいい子にしてるけど、本当は何か我慢してるんじゃないの?」
「本当は言いたい事があるんじゃないの?」
そいう風に、声をかけてもらうと、「ちょっと言ってもいいのかな?」と思って、ちょっとずつ話し始めます。
その話を
「そうか、そうか、そんな事思ってたんだ」
「今まで気付かなくて悪かった」
「これからは、何でも話してくれていいよ」
という風に言ってもらって、初めて言えるようになる子もいるのです。




6.非行の背景にも、自己評価の低さがある
・少年非行の防止に関する国連指針(リヤド・ガイドライン)
「少年非行の防止のためには、幼児期からその人格を尊重される必要がある」



「非行」というと、まず我々が思い付くのは
「ルールが教えてられていない」「しつけがなされていない」という事ですが、この非行という問題の背景にも、自己評価の低さがあると言われています。

では、なぜそう言えるのか?

『NAMIDA』という子どもたち自身が自分の経験を手記にした本があります。



「17才 心の傷跡」
お前はいらない
生まれなければよかった
早くいなくなって
そんな風に育った十七年間
家出、非行、暴力....
生きてためには何でもやった
あの頃は全てが下らなく見えた
愛なんて無かった
真実なんて知りたくなかった
生きる意味なんて無かった
欲しいモノなんて無かった...


家出、非行、暴力、恐喝、窃盗、援助交際
ありとあらゆる悪い事をやって来た。

では、なぜそんな悪い事ばかりやったのか、というと
大人は「規範意識が薄い」とか「ルールが教えてられていないからだ」とか言うけれど、心の底にあった気持ちはそんな事じゃなかったのです。

では、どんな気持ちか、というと

あの頃は全てが下らなく見えた
愛なんて無かった
真実なんて知りたくなかった
生きる意味なんて無かった
欲しいモノなんて無かった

要するに「どうせ自分なんか生きている意味ない」という自己評価の低さが心の底にあったからなのです。
そこから、どんどん捨て鉢になって、エスカレートしていったのです。

では、なぜそういう風に思うようになってしまったのか、というと

お前はいらない
生まれなければよかった
早くいなくなって

こういう言葉を浴びせられ続けて、育ってきた17年間だったという事なのです。

もちろん、親がこの言葉通りを子どもに言い続けていたのかどうかという事はわかりません。
親は親なりに、「なんとか子どもに良くなって欲しい」と思うあまり、ついつい叱る事が増えた。
それが、結果としてこういう形で子どもに伝わってしまったのかも知れません。

しかし、それでも子どもからすると、こういうメッセージを受け取り続けてきたという事は事実なのです。

ほとんどの少年非行、少年犯罪の背景には、自己評価の低さという事があるのです。

では、少年非行、少年犯罪を防ぐにはどうしたらいいのか?

日本にも「青少年育成施策大綱」というのがありまして、それにはしつけとかいろいろ書いてあります。
もちろんそういうのも大事です。

しかし、それよりももっと大切な事があります。
「国連指針リヤドガイドライン」には、「少年非行の防止のためには、幼児期からその人格を尊重される必要がある」と書かれています。

少年非行をどうしたら防げるかというと
「子どもを幼児期からその人格を大切にして育てていく」
それによって、非行を防止出来るのです。

逆に言うと、子どもの人格を尊重しない関わり、つまり
暴力を振るったり
否定しまくったり
大人の都合で利用したり
ほったらかしにしたり
そういう事を続けていると、子どもは非行に走り兼ねないのです。

子どもたちの出してくる心配な症状や行動には
ひきこもり
キレル子ども
心身症
少年非行・少年犯罪
リストカット・自殺未遂
拒食症・過食症
など、いろいろとありますが、その根っこにある問題は実は、自己評価の低さ1つだけなのです。

ですから逆に言えば、この自己評価さえしっかり育っていれば、子どもたちは元気に育っていきます。


こういうお話すると、よく「もう小学生だから、手遅れなのか?」と聞かれますが、そんな事は決してありません。
まずは、こういう事を知識として知らなくても、普通に育てていれば、だいたいこういう順番になっていますので、そんなに心配ありません。

また、なんらかの理由で小さい時に自己評価が十分に育っていないとしても、そういう子は大きくなるに連れて
「どうせ」と言う
お腹が痛い
頭が痛い
など、いろいろなサインを出して来ます。

そういうサインを出して来た時に、こういう事に気付いてやって、気付いた時から、もう1度土台から育て直すという事をすれば、いくつになってもやり直しは出来ます。


今、教育という事に関して、よく言われる問題はだいたい2つです。
その1つは学力の問題、もう1つはしつけの問題です。
その土台となる自己評価については、あまりにも問題にされていません。
私はこれを非常に大きな問題だと思っています。

私は今の子どもたちが、みんながみんな「学力が落ちている」とか「ルールが守れない」とかいう風には、必ずしも思いませんが、もしそういう子がいるとすると、ではなぜ、その子どもがそんなことになっているのかと言うと、やっぱり土台の問題なんです。


『3.H14年「中学生の生活と意識に関する調査」文部科学省委託調査』
でお話したように、


1)時々自分が役に立たない人間だと思う、と答えた子どもの割合
日本 56.4%  米国 32.0%  中国 25.4%

2)自分は他者に劣らず、価値のある人間である、と答えた子どもの割合
日本 31.5%  米国 81.5%  中国 86.6%


日本の中学生の半数が「自分なんかどうせ役に立たない人間だ」と思っています。
そういう風にしか思えない子どもが、どうして前向きに勉強に取り組んだり、社会のルールを積極的に守る事が出来るのでしょうか?

「自分なんて生きてる価値ない」という風に固く思い込んでいる子どもが、どうして意欲的に、自分の人生を前向きに生き抜いて行けるというのか?

問題はこの土台なんです。

しかも、その土台がせめて諸外国並みに育っているのならいいのですが、いろんな調査によって、日本の子どもたちはこの自己評価が低くなっている事が明らかになっている訳です。

ですから、もし教育再生・教育改革というなら、まず何よりも
「日本の子どもたちがどうして自己評価が低くなってしまっているのか?」
その原因を明らかにして
「それをどうしたら育んでいけるのか?」
という事を問題にしてこそ、本当の教育再生・教育改革だと思います。


(Part 5へ続く)






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